ブログ
私が作った「研究計画書の書き方」(文系の高校生向け教材)
私は、2017年から2020年までの4年間、高校で行われる探究活動の指導員として、高校生の探究活動のお手伝いをしていました。
今日は、そのときに作成した教材の一部をご紹介したいと思います。
当時、結構頑張って作ったので、
自分だけで使うのはもったいないな、誰かの役に立ったら良いなと思い、いつかブログで紹介しよう!と思っていました。
どんな高校で使った教材?
私がお世話になっていたのは、県内で進学校と呼ばれる県立高校です。
生徒は1年生の2月に探究テーマの方向性を考え始め、先生との相談を経て、
2年生の4月からは探究テーマごとに「ゼミ」に分かれて1年間の探究活動がスタートします。
「ゼミ」は、理系から文系まで合わせて10個ほど設定されます。
それぞれのゼミには、担当教員に加えて、私のような指導員がつきます。
指導員は、近隣の大学に所属する大学院生です。
私は、人文社会科学的なテーマについて国際的な興味を持つ生徒が集まるゼミを担当していました。
探究活動の時間は、週に一度。
9月には中間発表会、2月には成果発表会があり、最終的な成果はA4用紙2ページ分の報告書にまとめます。
中間発表会はポスター発表、成果発表会はパワーポイントを用いた口頭発表、
報告書は学会発表をするときの要旨のようなものを想像していただければわかりやすいと思います。
夏休みには、近隣の大学へ「研究室訪問」をして自身の研究内容や進捗を大学の先生に伝え、専門家の視点からアドバイスをもらう機会もあります。
今日は、その「研究室訪問」へ持っていくために生徒が作成する「研究計画書」の書き方をまとめたものをご紹介したいと思います。
なんで研究計画書?
私が担当していたゼミでは、4月から夏休みまではこの研究計画書の作成がメインでした。
え、ずっと研究計画書?!
テーマはいつ決めるの?
研究方法の相談はしなくていいの?
先行研究はいつ探すの?
と思われるかもしれません。
でも、研究計画書を書くという作業を通して、こうしたことを自然と伝えることができたと思います。
さらには1年間の集大成として作成する報告書を書くときにも、書き方や内容が参考になるようでした。
「研究計画書の書き方」
私が作った、「研究計画書の書き方」はこちらです!
じゃん!
これは1ページ目だけですが、全部で4ページあります。
(最後にPDFとWordのファイルを付けておきます。)
こんなふうに、左側に具体例、右側に注意事項が並んでいます。
この具体例は、私が真夜中のテンションで書いた「タピオカドリンク流行の背景にある若者の価値観の変容」というタイトルの架空の研究です。
タピオカの流行は実は3度目だけど、今のタピオカブームにはどんな特徴があるの?という研究です。
私はこれを、「タピオカ論文」と呼んでいました。
ちなみにこれは、4年間関わった探究活動のうち、3年目の時に作りました。
2019年です。
ちょうどタピオカミルクティがとても流行っていた時期です。
今はタピオカブームの下火になり、ちょっと古いテーマになってしまいました。
実際の研究もそうですが、流行りのテーマは古くなりやすいというのを実感します。
3年目にこれを作ろうと思ったのには理由があります。
2年目までは、テーマの立て方や、先行研究の集め方、研究への位置付け方など、具体例を示さずに伝えていました。
でも、それだと、いざ研究計画書を書いてみようとなったときに、同じことを2度説明することになってしまいました。
また、生徒が書いた研究計画書を添削していると、どの生徒にも同じようなコメントをしていることに気づきました。
こうして、2年間の指導で気づいた重要だと思うポイントが一目でわかる具体例があったらな...と思うようになり、
3年目のある日、思い立って深夜テンションで作りあげました。
夜中にこういうのを作るのって、結構楽しいんですよね。
ぜひ、自由に使ってください!
そんなこんなで、このような教材を作ってみたのですが、
もう探究活動の指導はしていないし、おそらく今後もしないと思うので、なんだかもったいない気がします。
いつの間にか、自分でも愛着のある教材になっていたみたいです。
なので、もし使っていただけるなら、それほど嬉しいことはありません!
ファイルを添付するので、ご自由にお使いください。
拙い部分も多分にあると思うので、修正していただいてももちろん構いません。
大学生の論文指導に使えると言っていただいたこともあったので、そういう使い方もあるかもしれません。
ご批判や、こんなふうに使ったよという報告もとても嬉しいです。